コラム

2023/09/25 外国人技能実習生と特定技能実習生の違いは?移行や切り替えは可能か?

特定技能実習生

技能実習生制度と特定技能制度の簡単な説明

まず初めに、技能実習生制度と特定技能制度について簡単に説明します。

技能実習生制度とは、開発途上国からの実習生を日本の企業等で受け入れ、彼らに対し技能・技術・知識の習得を通じてその国の経済発展に寄与することを目的とした制度です。しかし、単に労働力供給を目的としたものではありません。そのため、実習生は一定のスキルを持つことが求められ、また一定の期間、最大5年までしか日本に滞在できません。

一方、特定技能制度は2019年に導入された新しい制度で、日本国内で働く外国人労働者の受け入れ枠を拡大し、より広範な業種での活動を可能とするものです。特定技能は、技能実習生制度とは異なり、単に労働力供給を目的としています。特定技能1号は最長5年、特定技能2号は更新可能であり、家族同伴も可能な場合があります。

技能実習生制度とは?

技能実習生制度の目的

技能実習生制度の目的は、主に開発途上国からの実習生を日本の企業で受け入れ、実習生に対し専門的な技能・技術・知識の習得を通じて、母国の経済発展に寄与することです。つまり、この制度は国際貢献と技能伝承を目的としています。しかし、この制度が日本国内の労働力不足を補う目的で設けられたわけではないため、その点に注意が必要です。

技能実習生制度の特徴

技能実習生制度の特徴は、実習生の資格と滞在期間、そして実習計画の認定を必要とする点にあります。実習生として受け入れられるには、一定の技能や知識を持つことが必要であり、受け入れる企業も厚生労働省から認定を受ける必要があります。また、実習生の滞在期間は最大5年までと定められており、その後は母国に帰国し、そこで習得した技能を活用することが期待されます。

技能実習生の受け入れ要件と手続き

技能実習生を受け入れるには、まず企業が「技能実習計画」を作成し、これを技能実習機構に提出し認定を受ける必要があります。技能実習計画には、実習の内容や期間、実習生の待遇、住居の提供など、具体的な計画を詳細に記述する必要があります。

次に、実習生候補者を選定し、彼らが日本語の基本的な会話能力を持つこと、そして一定の技能や知識を持っていることを確認します。これらが確認できたら、出入国在留管理庁に「在留資格認定証明書交付申請」を行い、許可を得ることで実習生を受け入れることが可能となります。

以上のような手続きを踏むことで、開発途上国からの実習生を企業は受け入れることができます。ただし、受け入れる企業は、実習生の人権を保護し、適切な待遇を保障する責任があります。技能実習生制度は、その目的と特性、そして受け入れにあたっての要件と手続きを理解することが求められます。

特定技能制度とは?

特定技能制度の目的

特定技能制度の目的は、日本国内の労働力不足を補い、経済成長を持続させることにあります。多くの産業で働く外国人労働者の受け入れ枠を拡大し、労働力供給を確保するための新しい枠組みとして2019年に導入されました。

特定技能制度の特徴

特定技能制度は、14の業種で定められた一定の技能や経験を有する外国人を対象としています。この制度は特定技能1号と特定技能2号の二つのカテゴリーに分けられています。

特定技能1号は、技能実習生制度を経験し、かつ一定の技能を持つ者や、試験に合格した者などが対象となります。滞在期間は最長5年で、その間に家族を呼び寄せることは原則として認められていません。

一方、特定技能2号は、より高度な技能を有する者を対象とし、滞在期間は原則として更新可能で、家族の同伴も可能です。

特定技能実習生の受け入れ要件と手続き

特定技能実習生を受け入れるには、まず企業が「外国人労働者受け入れ計画」を作成し、これを入管局に提出し認定を受ける必要があります。受け入れ計画には、受け入れ人数、住居の提供、日本語教育等のサポート体制などを明記する必要があります。

次に、実習生候補者を選定し、技能試験及び日本語能力試験に合格していることを確認します。これらが確認できたら、出入国在留管理庁に「在留資格認定証明書交付申請」を行い、許可を得ることで実習生を受け入れることが可能となります。

特定技能制度では、特に労働者の生活支援体制の整備が求められます。企業側には、実習生の待遇改善や、日本語学習などの生活支援を通じて、実習生が安心して働ける環境を整備する責任があります。この点を満たすことで、日本国内での労働力確保と、実習生本人の技能向上という双方向の利益を達成することが可能となります。

技能実習生制度と特定技能制度の違い

対象者と期間の違い

技能実習生制度と特定技能制度の最も顕著な違いは対象者とその滞在期間です。技能実習生制度は、開発途上国からの実習生を対象としており、滞在期間は最大5年で、その後は母国に帰国することが期待されています。

一方、特定技能制度は、14の業種で定められた一定の技能や経験を有する外国人を対象としています。特定技能1号は最長5年、特定技能2号は原則として更新可能であり、更に特定技能2号では家族の同伴も可能となっています。

労働条件の違い

労働条件においても、技能実習生制度と特定技能制度は大きく異なります。技能実習生制度は、実習生の技術・知識・技能の習得を目的とした制度であるため、給与や労働時間などの労働条件は日本の法令に基づき適切に管理される必要があります。

一方、特定技能制度では、対象者が一定の技能を有する労働者であるため、日本国内の労働者と同等の労働条件が適用されます。これには、最低賃金の保障や労働時間の管理など、標準的な労働法規制が含まれます。

スキル・知識の違い

技能実習生は、特定の職業の基礎的な技能や知識を習得することが求められます。これは、母国に帰国した際に、その技能や知識を活かすことを目指しています。

一方、特定技能制度では、実習生が既に一定の技能や知識を有していることが求められます。特に、特定技能2号は、より高度な技能を有する者を対象としており、そのスキルレベルは技能実習生以上となっています。

受け入れる企業側の責任とメリット

どちらの制度も、受け入れる企業には一定の責任があります。技能実習生制度では、実習生の人権保護や待遇改善、技能伝達を通じての国際貢献が求められます。特定技能制度では、労働者の生活支援体制の整備や、日本語教育等のサポートが求められます。

その一方で、企業にはそれぞれの制度から得られるメリットもあります。技能実習生制度では、専門的な技術を持つ実習生を受け入れることで、企業の技術力向上や国際化に寄与することができます。特定技能制度では、一定の技能を持つ労働者を受け入れることで、労働力不足を解消し、事業の安定化や拡大を図ることが可能となります。

技能実習生から特定技能実習生への移行・切り替え

移行・切り替えが可能なケース

技能実習生から特定技能実習生への移行・切り替えは、一定の条件を満たした場合に可能となっています。具体的には、実習生が技能実習制度での研修を終え、所定の試験に合格した場合に、特定技能1号の在留資格を取得することが可能です。

一方、特定技能2号への移行は、特定技能1号の在留資格を持つ者が更に高度な技能や経験を有する場合、あるいは必要な試験に合格した場合に可能となっています。

移行・切り替えの手続き

移行・切り替えの手続きは、主に出入国在留管理庁への申請によって行われます。まず、該当する特定技能の試験に合格したことを証明する書類と、受け入れる企業が提出した「外国人労働者受け入れ計画」が認定されていることを証明する書類を揃えます。次に、これらの書類と共に、「在留資格変更許可申請」を出入国在留管理庁に提出します。

移行・切り替えを考える際のポイント

技能実習生から特定技能実習生への移行・切り替えを考える際には、いくつかのポイントを考慮する必要があります。

まず一つ目は、実習生自身の技能や経験が特定技能制度の要件を満たしているかどうかを確認することです。試験に合格しているか、またはそれに相当する技能や経験を有しているかを見極める必要があります。

二つ目は、受け入れる企業側の視点から、受け入れ体制が特定技能制度に適しているかどうかを検討することです。特定技能制度では、日本語教育や生活支援体制など、より高度なサポート体制の整備が求められます。

最後に、実習生自身の意向を尊重し、長期的な視点で彼らのキャリアパスを考えることも重要です。特定技能制度は、技能の習得だけでなく、長期的なキャリア形成の視点からも有益な制度となる可能性があります。

まとめ

技能実習生と特定技能実習生、どちらを選ぶべきか?

技能実習生制度と特定技能制度は、目的や対象者、そして受け入れる企業に対する責任やメリットが異なる制度です。どちらを選択するべきかは、企業の状況やニーズ、さらには実習生自身のスキルや目指すキャリアパスによるところが大きいでしょう。

技能実習生制度は、新たな技術を習得することを目指す実習生を受け入れる際に適しています。企業側としては、特定の技能を持つ実習生を通じて自社の技術力を向上させることが期待できます。

一方、特定技能制度は、すでに一定の技能を持つ労働者を長期的に雇用したい場合に適しています。労働力不足の解消や事業の安定化・拡大に寄与することが可能となります。

正しい選択をするためのガイドライン

正しい選択をするためには、以下の点を考慮すると良いでしょう。

  1. 自社のニーズを明確にする:技能実習生と特定技能実習生のどちらが自社のニーズに適しているかを理解することが重要です。特定の技能を持つ労働者を求めているのか、それとも新たな技能を習得する実習生を受け入れることが目的なのか、その差異を理解することが肝要です。
  2. 実習生の視点を尊重する:実習生自身の意向やキャリアパスを尊重することも大切です。特定技能制度では、実習生が長期的なキャリア形成を考える機会を提供することが期待されています。
  3. 法令遵守と社会的責任を果たす:どちらの制度を選択するにせよ、企業として法令を遵守し、社会的責任を果たすことが求められます。正しく制度を理解し、実習生の人権を守り、適切な待遇を提供することが不可欠です。

これらを踏まえ、適切な制度を選択し、外国人技能実習生や特定技能実習生とともに、企業の成長と発展を目指してください。