コラム

2023/09/25 外国人技能実習生は結婚できる?必要な手続きは?

外国人技能実習生結婚

技能実習生が日本で働く中で、自然と日本の社会や文化に親しむ機会が増えます。その一環として、彼らが日本人との結婚を選ぶケースも存在します。しかしながら、その結婚の可否や必要な手続き、さらにはビザの変更など、具体的な詳細については十分に理解されていません。

これらの疑問や不確実性は、技能実習生自身だけでなく、技能実習生を雇用する企業側にとっても重要な課題となります。企業としては、従業員である技能実習生が自身のライフイベントにより、ビザや勤務状況に変更が生じる可能性を理解し、適切な対応を計画する必要があります。

この記事では、技能実習生が結婚することが可能か、そしてその際に必要となる手続きやビザについて詳しく解説します。その上で、企業側が知っておくべき情報や対応策についても提案します。技能実習生自身や、それを雇用する企業が、法律的な問題やビザの変更などによる不確実性を減らし、スムーズに日本での生活を続けられるようにするための情報を提供することが目指しています。

技能実習生が結婚できるのか

日本における外国人との結婚の法律的背景

日本の法律上、結婚は日本国籍を持つ者と外国人との間でも成立します。民法第731条に基づき、男女ともに18歳以上であれば結婚が可能です。さらに、結婚を成立させるためには双方の同意が必要で、それは結婚届を役場に提出することで明示されます。

外国人が日本で結婚するには、その国の法律上結婚の障害がないことを証明する「婚姻要件具備証明書」が必要となります。そして、この証明書と日本の結婚届を併せて提出し、受理されれば結婚が成立します。

技能実習生の視点からの結婚の可能性

技能実習生の立場から見れば、上記の条件を満たせば結婚は可能です。しかしながら、実際には技能実習生が結婚する際にはいくつかの考慮点があります。

まず、技能実習生は限定的な期間、特定の業種でのみ働くことが許可されています。そのため、結婚によって生じる生活の変化が技能実習制度の目的や規定に適合するか確認する必要があります。

次に、結婚はビザのステータスに影響を及ぼす可能性があります。結婚により、技能実習生が配偶者ビザに変更することを選択した場合、その職業選択の自由度は増しますが、同時に技能実習制度から外れることとなります。そのため、そのような選択が自身の長期的な目標やキャリアプランに合致するか慎重に考慮する必要があります。

最後に、技能実習生が結婚をすると、その事実は雇用者に通知されるべきです。これは雇用者が技能実習生のビザ状況や勤務状況に影響を及ぼす可能性のある変更を理解し、適切に対応できるようにするためです。

したがって、技能実習生が結婚を考える際には、これらの事項を理解し、必要な手続きを適切に行うことが求められます。

結婚に必要な手続きとは

結婚届の提出と必要な書類

技能実習生が日本人と結婚するためには、まず結婚届を提出する必要があります。結婚届は市区町村の役場で提出され、結婚が成立するとその証として「戸籍謄本」が交付されます。結婚届の提出に必要な書類は以下の通りです。

  • 結婚届:提出する役場で入手可能です。また、厚生労働省のウェブサイトからもダウンロードできます。
  • 婚姻要件具備証明書:結婚をする予定の外国人の母国から発行される証明書で、結婚に法的な障害がないことを証明します。詳細な取得方法は各国の大使館や領事館に問い合わせると良いでしょう。
  • パスポート:身元を確認するために必要です。
  • 住民票:結婚届を提出する市区町村に住民登録が必要です。

具体的な手続きのステップバイステップガイド

  1. 結婚届と婚姻要件具備証明書の取得: 最初に行うべき手続きは、結婚届と婚姻要件具備証明書を取得することです。結婚届は市区町村の役場で入手可能で、婚姻要件具備証明書は技能実習生の母国から発行されます。
  2. 書類の準備: 取得した結婚届に必要事項を記入し、婚姻要件具備証明書、パスポート、住民票と共に用意します。
  3. 結婚届の提出: 準備した書類を持って市区町村の役場に行き、結婚届を提出します。提出後、結婚が成立し「戸籍謄本」が交付されます。
  4. 必要に応じてビザの変更: 結婚によってビザの変更が必要となる場合は、適切な手続きを行います。

注意点として、結婚届の提出は日本に住んでいる双方が行う必要があります。また、手続きは市区町村により若干異なる場合がありますので、事前に役場に問い合わせて確認することをお勧めします。

結婚後のビザ変更について

ビザの変更が必要な場合

技能実習生のビザは、特定の活動(つまり、技能実習)のために限定的に発行されます。したがって、結婚を機に活動内容が大きく変わる場合(例えば、技能実習から家庭生活に移行する場合や、異なる業種で働く場合など)、その活動に合った新たなビザに変更する必要があります。

日本国内で結婚した場合、外国人は「配偶者等」ビザに変更することが可能です。ただし、これには一定の条件があり、日本人の配偶者と生計を共にする意思があり、かつ生活を維持できる経済的基盤が必要です。

ビザ変更の手続きと必要書類

ビザの変更申請は入国管理局へ行われます。必要な書類は以下の通りです:

  • 在留資格変更許可申請書:在留資格変更許可を申請するための書類で、入管局または法務省のウェブサイトからダウンロード可能です。
  • 写真:申請者の顔写真(3cm×4cm)を1枚用意します。
  • パスポートと在留カード:身元確認のために必要です。
  • 結婚証明書:結婚届受理証明書または戸籍謄本を用意します。
  • 生計維持能力証明書:申請者または配偶者の収入証明書や預金通帳の写し等を用意します。

申請からビザ取得までの流れ

  1. 必要書類の準備: 上記で挙げた必要な書類を全て用意します。
  2. 申請の提出: 用意した書類とともに、最寄りの入国管理局に在留資格変更許可申請を提出します。
  3. 審査の待ち時間: 入国管理局では、申請内容を審査します。この審査期間は1~3ヶ月程度かかることが一般的です。
  4. 結果の通知: 審査が完了すると、申請者に結果が通知されます。許可が下りた場合、新しい在留カードが交付されます。

これは一般的な手順であり、具体的な手続きや必要な書類は申請者の個別の状況や入国管理局の要件により変わる場合があります。したがって、申請前には十分に確認と準備を行うことが重要です。

企業側から見た対応策

企業として知っておくべき情報

技能実習生が結婚を希望した場合、その適切な対応は企業の責任の一部となります。まず、外国人労働者の結婚とそれに伴うビザの変更について基本的な知識を持つことが重要です。特にビザの種類による労働許可の違いや、手続きに必要な期間と書類などを把握しておくと良いでしょう。

また、労働者の結婚が業務にどのような影響を及ぼす可能性があるかを理解し、適切な対策を立てることも必要です。例えば、技能実習生が「配偶者等」ビザに変更した場合、労働許可の内容が変わり、より広範な職種で働くことが可能になります。しかし、一方で、配偶者との家庭生活を優先するために勤務時間を調整したい等、労働条件の変更を希望する場合もあります。

労働者の結婚に対する対応とサポートの提案

外国人労働者が結婚を希望した場合、企業側からのサポートが求められます。その一例として、以下のような取り組みを考えてみましょう。

  • 情報提供: 結婚やビザ変更に関する手続きについての情報を提供し、必要な書類の準備や申請の手続きに協力することが有用です。
  • 勤務条件の見直し: 結婚後のライフスタイルの変化を考慮に入れ、必要であれば勤務時間や職種の見直しを提案することも考えられます。
  • 就労ビザの更新サポート: ビザの更新手続きにおいて、企業として協力できる部分(例えば、在留資格変更許可申請書の「在留期間終了後の活動内容」の項目への記入など)があれば、積極的にサポートしましょう。

これらのサポートは労働者のストレスを軽減し、業務に集中するための環境を整えることにつながります。また、これらの取り組みは労働者が企業に対する信頼感を深め、長期的な雇用関係の構築に寄与します。

まとめ

本記事では、外国人技能実習生が結婚することの可能性と、それに伴う必要な手続き、ビザの変更、そして企業側の対応策について詳しく解説しました。

企業側として、まずはこの記事で得た知識を基に、技能実習生に対する適切なサポート体制の構築や、必要な手続きへの理解を深めることが推奨されます。また、外国人労働者の人権と個人の選択を尊重し、彼らが日本で充実した生活を送るための環境作りに努めることが、企業の社会的責任でもあります。

最後に、本記事の情報は一般的なものであり、特定の状況に対する具体的なアドバイスを提供するものではありません。従って、外国人労働者の結婚やビザの変更に関して具体的な問題が生じた場合は、専門的な法律助言を求めることをお勧めします。